IT related business issues

週末に、見聞を広めるべく、某コンサルティング・ファーム主催のセミナーを聞きに行きました。内容は経営レベルのIT関連課題について。

内容を忘れないように、ここにメモ書きしておきます。*1

日本におけるIT関連の課題は以下の4つに分類される。

  • 経営レベルと現場レベルでのITに関する意識の溝
  • ITを手段ではなく、目的としてしまっている
  • ITに関連した業務の低生産性
  • 社内でのITに関連した人材育成の遅れ

経営レベルと現場レベルでのITに関する意識の溝

経営レベルのITに対するresponsibilityが不明確。また、ITに関する理解度も浅い。CIOというポジョションはあっても、情報システム部長が兼任している場合も多くある。本当の意味で経営レベルのCIOが少ない。

ITを手段ではなく、目的としてしまっている

何故、IT投資が必要なのかという部分が不明瞭のまま、時流に流されてIT投資を行ってしまっている。IT投資によって、コスト削減を目標にしているのか、ITによる新規ビジネス・モデルの実装で収益増を狙ったものかが経営レベルで明確でない。

ITに関連した業務の低生産性

自社内に、ITのKnow-Howがないために、ITプロジェクトの管理は外部ベンダーや導入SIerに頼りっぱなし。それに伴い、システムはブラックボックス化し、納期や予算を超過してしまうことも多いし、稼動後のメンテナンス費用もかさむ。

社内でのITに関連した人材育成の遅れ

情報システム部やIT企画部門の人材育成プランやキャリアパスが不明瞭。自部門の人材の強み、弱みが把握できておらず、トレーニングも体系的に行われていない。よって、部員のモチベーション低下や他社への転職といったことも多々ある。

以上を考えてみると、当たり前ではあるが、IT投資をすれば企業成長が確約されるわけではなく、まずはじめに戦略やビジネス・モデルがありきで、それを実装するためのITに投資するのが正しいやり方である。また、IT関連のビジネス課題というのは、実は多くが組織や人材または社風といった課題に深く根ざしていることが多い。

なお、似たようなテーマとしてはIT Mediaの

ITは経営戦略の実現に貢献しているのか:ほんとに、IT Doesn't Matter?

新たな潮流:SOAの意味するもの――時代を見る

が興味深いです。

*1:至極当然な内容ですが、今更ながら、言われてみるとなるほどねと思ったりもします。。