Sicko
マイケル•ムーア監督の新作"Sicko"を見てきた。アメリカには国民健康保険というものはなく医療保険に入れない人が相当数いる。*1ということで今回の彼のターゲットはアメリカの医療保険業界と製薬業界。皮肉たっぷりにアメリカの議会や医療保険/製薬会社をばっさばっさ切っていくスタイルは健在。まぁ、かなり偏った視点で描かれてはいるが、現在アメリカが抱える問題を見事にえぐり出している。彼の代表的なアポなし突撃取材も健在。アメリカで保険の適用がかなわない患者をつれて勝手にCubaに行き*2Cubaの医療事情をいろいろ見るのだが、アメリカでは信じられないほどの丁寧な治療や検査を受けることができ一同感動。ちなみにアメリカの乳幼児死亡率はキューバのそれよりも低い。国民健康保険がない理由として、基本的にアメリカにはUniversal Insurance(国民健康保険)なんて社会主義の考え方だという風潮があるようだ。が、実際にはイギリスでもフランスでも国立の医療機関では医療はただ。それでも制度破綻は起きていない。また別の理由としてはアメリカというとお決まりの業界と政界の癒着。業界が多額の献金をして、ヒラリークリントが提案していた国民健康保険の法案をつぶした例もある。多額の献金をもらっていた議員が保険会社や製薬会社のCEOになり、その影響力を議会に対して利用するケースもあるようだ。ということでマイケル•ムーア好きの人は必見。
